忙しい毎日の中で、自分の体の声に耳を傾ける時間は、意識しないとなかなか取れませんよね。 そんなときに役立つのが、寝る前にお腹に手を当てる「手当て」です。
特別な道具も薬も必要なく、家に帰って布団に入るだけでできる、もっともシンプルなセルフケア。 実はこの“お腹に手を当てる”という行為には、東洋医学の考え方が深く関わっています。

手当てとは?どんな効果があるの?
「手当て」という言葉は、まさに“手を当てる” ことから来ています。 古くから行われてきた自然療法のひとつで、「治す」というよりは、“自分の体調に気づくためのケア”です。
手当てのコツ
・パジャマの上からでもよいですが、肌に直接触れると温度や硬さがわかりやすい ・3分だけでもOK ・リラックスして、ゆっくり呼吸しながら
手のひらには体温があります。 その“あたたかさ”が高ぶっている神経をゆるめ、呼吸も深くなり、身体の緊張がじわっと溶けていきます。
東洋医学ではお腹から何がわかるの?
東洋医学には腹診(ふくしん)という、お腹を触って体調を診る方法があります。 五臓(肝・心・脾・肺・腎)をお腹の位置に対応させて、温度、硬さ、張り、皮膚のつや、弾力などを見ます。
例えば──
- 🌡 冷たさ → 冷え・血行の弱り
- 🔴 硬さ → 消化の疲れ、ストレス、緊張
- 💧 柔らかすぎる → 体力低下、エネルギー不足
- 🌊 呼吸の動き → 呼吸が浅いサイン
鍼灸施術で腹診をすると、気が滞っている様子がよくわかります。また、水分不足や食べすぎ、塩分の取りすぎなども皮膚の状態からわかるようになります。お腹から読み取ったことをお伝えすると「自分では気づかなかった…」と驚かれる方がとても多いです。
ゆっくり触れていると、急にお腹の緊張がほどけて、手の下でふわっと柔らかくなる瞬間があります。 これは副交感神経が優位になり、リラックス状態に入ったサインです。
寝る前にできる「お腹の手当て」のやり方は?
忙しくても続けやすいシンプルな方法です。
- ベッドや布団で仰向けになり、身体をゆるめる
- 両手を30秒ほどこすり合わせ、手を温める
- おへその周りを包むように両手をそっと置く
- 目を閉じ、3〜5分ほどゆっくり深呼吸をする
- 慣れてきたら、指先全体で軽くお腹を押して温度や硬さを感じる
何を感じればいいの?
手当ての時間は“身体との対話”です。 次のようなポイントに意識を向けてみましょう。
- 今日は冷たいところがある?
- 硬い場所、張っている場所は?
- 呼吸が浅くなっていない?
- 触れているうちに緩む場所は?
続けるとどんな変化に気づける?
続けるほど、自分の体調に気づきやすくなります。
- 「今日は冷えてるな…」
- 「胃が張ってる気がする」
- 「呼吸が浅かったけど、だんだん楽になってきた」
こうした小さな変化が、実は体調の大きなヒントになります。 毎日触れることで、不調の早期サインをキャッチできる体へと変わっていきます。
体験談(施術の現場より)
お腹に手を置いて数分すると、患者さんが「急に呼吸がしやすくなった」とお話しされることがあります。 これは、お腹の緊張がほどけ、自律神経が落ち着いたサインです。
まとめ|寝る前3分の手当てで、自分の体とやさしくつながる
寝る前の「お腹への手当て」は、誰でもすぐに始められるセルフケアです。 あたためた手でそっと触れるだけで、心と体の両方をやさしく整えることができます。
忙しい日でも、自分の体に触れる3分を作ることは、 「自分を大切にする時間」そのものです。
今日の夜、布団に入ったら、ぜひ一度ためしてみてくださいね。
この記事を書いた人
鍼灸師としての経験を活かし、 体に負担をかけないやさしいセルフケアをお伝えしています。
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